○嵐山町環境基本条例

平成23年6月10日

条例第12号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 基本的施策(第7条―第17条)

第3章 推進体制(第18条・第19条)

第4章 環境審議会(第20条―第27条)

附則

私たちの嵐山町は、埼玉県のほぼ中央部である比企丘陵の中核に位置し、南部を都幾川・槻川、中央部を市野川・粕川、北部を滑川が流れ、大平山や嵐山渓谷などの美しい景観と自然環境に恵まれた地域であります。

国蝶オオムラサキやホタルの飛び交うまちを目指し、緑地や里山の保全を図り、人と自然との共生を重視した発展を進めてきました。

しかし、物質的な豊かさを求めてきた社会経済活動は、地球温暖化など地球規模の問題へと拡大し、人類を含むすべての生物の存続基盤に深刻な影響を及ぼし始めています。

もとより、私たちは、健康で文化的な生活を営むために、良好な環境を等しく受ける権利を有するとともに、その環境を将来の世代に引き継ぐべき責務があります。

ここに、私たちは、町、町民及び事業者のすべてがそれぞれの役割のもとに、自主的かつ積極的にその責務を果たし、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な循環型社会を構築するとともに、地球環境の保全に貢献していくため、この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、環境の保全及び創造について、基本理念を定め、並びに町、町民及び事業者の責務を明らかにするとともに、環境の保全及び創造に関する施策の基本となる事項を定めることにより、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の町民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「環境への負荷」とは、人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。

2 この条例において「地球環境の保全」とは、人の活動による地球全体の温暖化、オゾン層の破壊、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他地球全体又はその広範な部分に影響が及ぶ事態に係る環境の保全をいう。

3 この条例において「公害」とは、環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動で生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下及び悪臭によって人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係にある財産並びに動植物及びその生育環境を含む。)に係る被害が生ずることをいう。

(基本理念)

第3条 環境の保全及び創造は、現在及び将来の町民が健全で恵み豊かな環境を享受するとともに、安全で健康かつ文化的な生活を将来にわたって維持することができるように、適切に推進されなければならない。

2 環境の保全及び創造は、人と自然が共生し環境への負荷の少ない持続的に発展できる社会が構築されるよう適切に推進されなければならない。

3 地球環境の保全は、地域の環境と深くかかわっていることを認識し、すべての日常生活及び事業活動において自主的かつ積極的に推進されなければならない。

(町の責務)

第4条 町は、基本理念にのっとり、環境の保全及び創造に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施しなければならない。

(町民の責務)

第5条 町民は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、その日常生活に伴う環境への負荷の低減に努めなければならない。

2 前項に定めるもののほか、町民は、基本理念にのっとり、環境の保全及び創造に自ら努めるとともに、町が実施する環境の保全及び創造に関する施策に協力する責務を有する。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、これに伴って生ずる公害を防止するとともに、自然環境を適正に保全するために必要な措置を講じなければならない。

2 事業者は、基本理念にのっとり、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たっては、環境の保全上の支障を防止するため、次に掲げる事項に努めなければならない。

(1) 事業活動に係る製品その他の物が廃棄物となった場合に、その適正な処理を行うこと。

(2) 事業活動に係る製品その他の物が使用され、又は廃棄されることによる環境への負荷の低減に資すること。

(3) 事業活動において、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料、役務等を利用すること。

3 前2項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に関し、環境の保全及び創造に自ら努めるとともに、町が実施する環境の保全及び創造に関する施策に協力する責務を有する。

第2章 基本的施策

(環境基本計画)

第7条 町は、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、嵐山町環境基本計画(以下「環境基本計画」という。)を策定するものとする。

2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 環境の保全及び創造に関する総合的かつ長期的な施策の大綱

(2) 前号に掲げるもののほか、環境の保全及び創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 町長は、環境基本計画を策定するに当たっては、町民及び事業者の意見を反映させるとともに、第20条第1項に規定する嵐山町環境審議会の意見を聴かなければならない。

4 町長は、環境基本計画を策定したときは、速やかにこれを公表するものとする。

5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。

(環境基本計画との整合)

第8条 町は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、環境基本計画との整合性を図るものとする。

(年次報告書の作成等)

第9条 町長は、環境の状況、町が講じた良好な環境の保全及び創造に関する施策の実施状況等を明らかにした報告書を毎年作成し、これを公表するものとする。

(規制等の措置)

第10条 町は、環境の保全上の支障を防止するため、必要な規制等の措置を講ずるものとする。

(環境への負荷の低減に資する製品等の利用促進)

第11条 町は、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料、製品、役務、エネルギー等の利用が推進されるように必要な措置を講ずるものとする。

(環境の調査)

第12条 町は、環境の状況を把握し、又は環境の保全及び創造に関する施策を適正に実施するため必要な調査を実施するものとする。

(環境教育及び環境学習の振興等)

第13条 町は、町民及び事業者が環境の保全及び創造について理解を深めるとともに、これらの者の環境の保全及び創造に関する活動を行う意欲が増進されるように、環境教育及び環境学習の振興その他必要な措置を講ずるものとする。

(自発的な環境保全活動の促進)

第14条 町は、町民、事業者又はこれらの者の組織する民間の団体が行う環境の保全及び創造に関する自発的な活動が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。

(情報の提供)

第15条 町は、第13条の環境教育及び環境学習の振興等並びに前条の自発的な環境保全活動の促進に資するため、個人及び法人の権利利益の保護に配慮しつつ環境の保全及び創造に関する必要な情報を適切に提供するものとする。

(町民の意見の反映)

第16条 町は、環境の保全及び創造に関する施策を策定する場合には、町民の意見が反映できるよう必要な措置を講ずるものとする。

(地球環境の保全)

第17条 町は、地球温暖化の防止、オゾン層の保護その他の地球環境の保全に資する施策を推進するとともに、国、県及び関係機関と連携して、情報の提供等により、地球環境の保全に関する国際協力の推進に努めるものとする。

第3章 推進体制

(推進体制の整備)

第18条 町は、環境の保全及び創造に関する施策を総合的に調整し、及び推進するために必要な体制の整備を図るものとする。

(国、県及び他の地方公共団体との協力)

第19条 町は、環境の保全及び創造に関し、広域的な取組みを必要とする施策の策定及び実施に当たっては、国、県及び他の地方公共団体と協力して推進するものとする。

第4章 環境審議会

(設置及び所掌事務)

第20条 良好な環境の保全及び創造に関する基本的事項について、町長の諮問に応じ調査、審議するため環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定に基づき、嵐山町環境審議会(以下「審議会」という。)を設置する。

2 審議会は、次に掲げる事項を調査、審議する。

(1) 環境基本計画に関すること。

(2) その他環境の保全及び創造に関する必要な事項

(組織)

第21条 審議会は、委員15人以内をもって組織し、次の各号に掲げる者のうちから町長が任命する。ただし、第2号の公募による委員は3人以内とする。

(1) 知識経験者

(2) 公募による町民

(3) 関係行政機関の職員

(任期)

第22条 委員の任期は、2年とする。ただし、再任を妨げない。

2 委員が欠けた場合の補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

(会長及び副会長)

第23条 審議会に会長及び副会長各1人を置き、委員の互選により定める。

2 会長は、審議会を代表し、会務を総理する。

3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故あるときは、その職務を代理する。

(会議)

第24条 審議会は、会長が招集しその議長となる。

2 審議会は、過半数の委員が出席しなければ開くことができない。

3 審議会の議事は、出席委員の過半数でこれを決し、可否同数のときは議長の決するところによる。

(関係者の出席)

第25条 審議会は、必要があるときは、関係者の出席を求めて意見を聴くことができる。

(庶務)

第26条 審議会の庶務は、環境課において処理する。

(委任)

第27条 この条例に定めるもののほか、その他必要な事項は、町長が別に定める。ただし、審議会の運営に関し必要な事項は、会長が審議会に諮って定める。

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(嵐山町環境保全条例の一部改正)

2 嵐山町環境保全条例(平成7年条例第5号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(経過措置)

3 この条例の施行の際現に改正前の嵐山町環境保全条例第105条の規定に基づき任命されている委員は、第22条の規定により任命された委員とみなす。この場合において、当該委員の任期は、第22条の規定にかかわらず、平成24年3月31日までとする。

(平成30年条例第4号)

(施行期日)

1 この条例は、平成30年4月1日から施行する。

嵐山町環境基本条例

平成23年6月10日 条例第12号

(平成30年4月1日施行)

体系情報
第10編 生/第6章 環境保全
沿革情報
平成23年6月10日 条例第12号
平成30年3月20日 条例第4号