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ホタルの里

[2017年3月15日]

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ホタルの里

◎嵐山町でみられるホタルの仲間

 一般にホタルと言えば有名なのが「ゲンジボタル」と「ヘイケボタル」の2種類です。これらのホタルはいずれも、成虫は腹部の先端に発光部位があり、その光を互いのコミュニケーションに利用しています。またこれら2種の幼虫は水中にすんでいて、カワニナやタニシなど貝の仲間を食べて育ちます。嵐山町にはこの他に5種類、合計で7種類のホタルが分布していますが、ゲンジとヘイケ以外の5種類については幼虫が陸上生活をおくり、ホタルの特徴でもある光も、ほとんど光りません。

●ゲンジボタル

 ホタルの代名詞とでもいうべき種です。明るい光を放つため見応えはじゅうぶん。成虫の体長は1センチメートル程度とホタルの仲間としては大きく、沢や清流、用水路といった流水域の周辺に生息しています。この種は遺伝子の解析によりいくつかの系統群が確認されており、この遺伝子型の間では発光パターン等生態に関する違いが認められています。関東地方の個体群は集団明滅の際に4秒間隔で光ることが特徴です。
ゲンジボタルの成虫

                            ゲンジボタルの成虫

ゲンジボタル幼虫

                             ゲンジボタル幼虫

ゲンジボタルの生息環境(流水)

                         ゲンジボタルの生息環境(流水)

●ヘイケボタル

 ゲンジと同様、幼虫が水中生活をおくることで知られており、ヘイケはむしろ沼や田んぼ、湿地などの止水域(水の流れがほとんどない場所)を好みます。光はゲンジに比べると小さく、明滅もあわただしく感じます。しかしながら、個体数が多い場所では圧倒的な明滅で見応えがあります。
ヘイケボタルの成虫

                            ヘイケボタルの成虫

ヘイケボタルの生息環境(止水)

                         ヘイケボタルの生息環境(止水)

●クロマドボタル

 成虫はほとんど光らず、むしろ幼虫の方が光を発します。うじ虫のような幼虫が光る様子から、嵐山町あたりでは「うじぼたる」などと呼ばれることもあります。幼虫は陸上生活をおくり、陸生貝類(カタツムリの仲間)を食べて育ちます。成虫の前胸背板前縁には二つの窓状の透明部があり、体色が全身黒色であることから「黒窓蛍」の名がついています。
クロマドボタル

●オバボタル

 この種も成虫はほとんど光らず、幼虫は陸上生活をしています。成虫の色彩はヘイケボタルのそれと似ていますが、形態はまったく異なります。湿度の高い草地や道脇などに多く生息しています。
オバボタル

●ムネクリイロボタル

 前胸背板は赤褐色(=栗色)で、触角に特徴的な突起を持つ小型のホタルです。成虫は持続的な光を発しますが、その光は弱いようです。主に昼間動く種類で、湿った草地などでよく見かけます。幼虫も陸上生活をおくり、オカチョウジガイなどの陸生貝類を食べます。
ムネクリイロボタル

●カタモンミナミボタル

 成虫は全身黒色で、上翅の肩の部分に赤い紋があります。また、光はほとんどわからない程度のものです。幼虫は草地などで地中の浅い部分にもぐって生活しており、何を食べているのかはよくわかっていません。
カタモンミナミボタル

●ノハラボタル

 前胸背板の部分に赤い紋があり、ヘイケボタルやオバボタルによく似ていますが、より体が小さいようです。日本にはもともと分布していない種で、海外から何らかの原因により進入したものと思われます。また、この仲間は北アメリカに広く分布することから、この地域より進入した可能性が高いです。
 埼玉県内に進入したのはごく最近のことで、嵐山町には平成20(2008)年に志賀地区で初めて発生が確認されました。何を食べているのかなど、生活のくわしいことはわかっていません。

◎ホタルの里について

 国指定史跡の菅谷館跡にはゲンジボタルとヘイケボタルの2種が堀の中に生息しており、両種が同時に見られる場所として知られています。『ホタルの里』は、この堀の下流側に埼玉県が買収・整備し、1996年(平成8年)に完成、嵐山町に託されました。整備にあたってはビオトープ(生物生息空間)の考えを取り入れ、水路は蛇かごによる護岸を行い、ハンノキやエノキ、ヤナギといった水辺に生育する樹木を水辺に配し、周囲の光が入り込みにくく暗闇が保てるよう、ホタルの好む水辺の環境を再現しています。また散策路の整備については水辺の生きものへ配慮し、木道を設置しました。さらに休憩所には屋根の上に土をのせ、植物の種をまいて自然に溶け込む施設としました。
ホタルの里マップ

     ホタルの里マップ

◎ホタルが見られるのはいつ?

 嵐山町ではゲンジボタル、ヘイケボタルの生息地が少ないながら町内各所に点在しています。これらの生息地におけるホタルの発生時期は、その場所ごとに異なります。とても早い時期から発生している場所もあれば、ほかの生息地で発生が終了しても見られる場所まであります。ホタルの里周辺のホタルはこの中でも最も遅く発生し、例年の発生時期は次のとおりです。

 ゲンジボタル: 6月中旬 ~ 7月中旬
 ヘイケボタル: 7月上旬 ~ 7月下旬

 ホタルが光りだすのは、日が暮れて、あたりが暗くなってからです。この季節は一日のうち昼間の時間が長いため、午後7時を過ぎてもあたりはまだ明るいことから、完全に暗くなる午後8時近くになって光り始めます。また、雨や風の強いとき、あるいは気温が低い日にはほとんど光らないようです。ホタルを観察するには蒸し暑く、風の無い日が最も良いでしょう。

◎地元のホタルがすみやすい環境を目指して

 ホタルの里では、ホタルが自然発生するように、ホタルのすみやすい環境を整える作業を進めています。水の流れる場所にはゲンジボタルが、流れのない場所にはヘイケボタルが生息することから、公園内には細い流れと水の止まる湿地状の池をつくって、2種類のホタルが同所的に発生するよう工夫しています。
 また、嵐山町のホタルの里づくりにおいて重視しているのは、菅谷館跡に生息する「地元のホタル」を残してゆくということです。最近では技術の向上によりホタルの養殖が容易となり、大量の成虫を放虫してイベントを開催する地域も増えています。これらは多くの場合、ホタルがすでに生息していない場所で行われており、もとは別の地域で採取したものを累代飼育・放虫していることが多いようです。
 もし、こうした手法を野生の個体が生息する場所、もしくはその周辺で行った場合、野外へ放たれた別産地の個体と野生の個体が遭遇してしまう可能性があります。最悪の場合、結果として遺伝的に純粋が保たれず、生態面の変化などで思わぬ弊害をもたらす可能性があります。このため、ホタルの里では他の地域からホタルや幼虫の餌となるカワニナを持ち込むことはせず、地元のホタルがなるべく自然状態で増えることを目指して活動を実施しています。

お問い合わせ

埼玉県 嵐山町役場環境課環境担当

電話: 0493-62-0719 ファクス: 0493-62-0713